EC構築のプラットフォームとして人気を博しているShopifyですが、カナダから始まったサービスの為、日本国内での商習慣に合わせる点で使いづらさがある部分があります。特に国ごとの地域色がでやすい物流に関連する部分では人の手による受注処理が必要になる場合があります。本コラムではShopifyから倉庫に出荷の依頼を自動で連動させるために考慮すべき課題点について紹介します。
- 1. Shopifyとは?自動出荷とは?
- 2. Shopifyの自動出荷をするには?
- 3. Shopifyで自動出荷の課題とは?
- 4. 課題を解消するには?
- 5. まとめ
Shopifyとは?自動出荷とは?
Shopifyとは?
ShopifyはEC店舗を構築するカートシステムです。
Shopifyを利用してECの店舗運営を行う事業者数は増加を続け、Shopifyで構築されたショップ数は2023年8月時点で約3万店(当社調べ)に届こうとしています。
ShopifyはAPIやアプリによる拡張の自由度が高く、オリジナリティを求めるECサイトの構築を求めるEC事業者に好評を得ています。
また、Shopifyはサイト構築、決済、カート機能に加え、基本機能でも充実したアクセス分析やストア分析が利用できる点も評価を高めている要因の一つです。
良いところの多いShopifyですが、必ずしも万能というわけではありません。
カナダ発のサービスであるため、データの項目名が英語である等日本向けに細部までローカライズされていない点があります。
通常利用の範囲で大きな問題になる点ではありませんが、国ごとの地域色がでやすい商品の出荷・配送に関わる物流部分では課題となる場合があります。
また、アプリストアでは日本向けに出荷に対応する為のアプリの提供がありますが、自由度が高い分どのようにアプリを組合わせて活用すればいいか分かりづらいという側面があります。
しかし、Shopifyの利用得られるメリットは大きいため、デメリット部分を補いながら最大現活用することが求められます。
自動出荷とは?
今回、自動出荷という点に着目して話を進めていくにあたり、自動出荷を次のように定義します。
”自動出荷とは、ネットショップで注文が入ると、出荷までの一連の流れをシステムが自動的に行うことを指します。”
例えば、注文、在庫の確認・修正、購入者へのメール送信、入金確認、出荷指示作成・取込、納品書の作成、出荷完了メール、これらをシステムが自動で処理することです。
ここでは、特にShopifyから倉庫で利用するWMS(倉庫管理システム)等の出荷システムを対象に、自動出荷ついて話を進めていきます。
Shopifyで自動出荷するには?
商品発送に関わるShopifyの受注の自動出荷という点に着目して、実現の為に必要な機能を取りまとめました。
Shopifyで自動出荷の課題とは?
最近はAPIの技術的な普及もあり自動出荷を実現するシステムが多くなってきました。
しかし、全てのシステムがShopify運用の細かいところまで気を使った仕様になっているわけではありません。
ここではShopifyの自動連係で課題となる点について確認していきましょう。
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- 課題1電話番号+81問題
- Shopifyは全世界で利用できるシステムの為、登録された電話番号には国コード(日本は+81)が追加される仕組みになっています。越境ECの運用では役立つ機能ですが、国内配送ではむしろ表記が邪魔になり、配送伝票発行システムに取り込む際のエラーの原因となります。
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- 課題2デジタルコンテンツ販売含む一部発送の受注対応
- Shopifyでは物販のみではなく、デジタルコンテンツも販売する事ができます。しかし、物販とデジタルコンテンツの両方を取り扱っている場合に、お客様が双方購入すると自動出荷をする際に課題が生じます。 物販とデジタルコンテンツが混ざった受注が出荷指示として自動連携されると、倉庫内で現物がない商品の作業指示が発生して物流現場を混乱させることつながります。 連携の制御で物販商品のみを出荷指示として連携させるなどシステム化しないと、事前に倉庫担当者と都度運用の相談をしなくてはならないなど、コミュニケーションコストが膨み自動出荷を妨げることに繋がります。
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- 課題3Shopifyアプリ等でタグづけされた情報を利用したい
- Shopifyでは公開されているアプリを組み合わせて使う事による拡張性の高さに魅力があります。
しかし、自由に設計できる分、出荷システムとの連携についても柔軟性が求められます。
例えば、サブスクリプション型の受注を生成する定期系アプリを利用した際に、定期購入回数によって同梱チラシを切り分けたい等の要望に対して、出荷システム側では作業指示に自動で条件に従ったチラシ同梱作業が追加されるといった機能が求められます。 せっかくのShopifyの自由度も、出荷システムとの連携に柔軟性が無ければ、確認の手作業が発生し自動出荷率は下がってしまいます。
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- 課題4代引手数料加算
- Shopifyには決済方法としてCOD(代引き)決済が利用できます。
しかし、代引きの利用には手数料が発生するものですが、Shopifyの受注データには代引き手数料の項目がありません。そのため、そのまま出荷システムに連携して納品書を発行すると、代引き手数料が含まれない金額で納品書が表示されるといった問題が出てきます。 システムで金額の加算計算書処理ができなければ、受注処理の中で人力で金額修正を行わなくてはいけないといった手間が発生していまします。
課題を解消するには?
Shopify特有の仕様もあり、自動出荷の実現には考慮すべき課題がありますが、システムサービスを活用することで課題を解消することができます。
OMS(受注管理システム) |
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OMS(受注管理システム)では、受注した注文を出荷していいかどうかをチェックするフィルタリング機能、または、修正する処理をサポートしてくれます。受注をステータスで管理し、条件に応じてフィルタリングしてくれる機能が役立ちます。有名なシステム例としては「ネクストエンジン」、「クロスモール」があげられます。 |
OMS+WMS一体型システム |
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OMS単体でも受注処理までの自働化は実現できますが、倉庫のWMS等の出荷システムに出荷指示を連携するには、個々でシステム連携の調整が必要になります。 2017年以降そんな課題を解決するOMS+WMS一体型の仕組みが登場します。受注管理と出荷管理のシステムがシームレスに連携することにより、受注を受けて出荷するまでの流れを通して管理できるため、自動出荷を加速させる仕組みとして注目を集めています。 最近では柔軟なRPA機能の充実した「コマースロボ」といった、自働化率を加速させる、より発展的なサービスも出てきています。 |
フルフィルメントサービス |
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システムサービスの充実により自動出荷の実現をしやすい環境が整ってきてはいますが、物流業務を外部倉庫に委託している場合、システム利用という点がネックになる場合があります。
委託先の倉庫で独自に出荷システムを持っていると、EC運営側で利用したいシステムが使えないといった問題が発生します。 そこで近年は、EC運営側でシステム調整をしなくても倉庫のシステムに受注が自動出荷連携できる物流フルフィルメントサービスが増えてきています。 フルフィルメントサービスの多くは物流の利用分だけ従量課金制をとっており、新規事業やテストマーケティング案件でもスモールスタートできる点が魅力です。 受注処理に対応できるOMS機能を有したフルフィルメントサービス「CyberLogi」の提供も始まるなど先進的な取り組みに期待が高まります。 |
まとめ
ここまでShopifyの店舗運営で自動出荷をする為の必要な機能、Shopify特有の課題、課題解消に役立つシステムサービスを紹介してきました。 ECの店舗運営でバックオフィス業務となる受注処理や出荷手配は重要な業務ではありますが、本業でのコア業務ではありません。 システムサービスを活用することでバックオフィス業務の自働化に取り組み、新商品の開発やストア運営といったコア業務に専念できるようにすることが、競争の激しいEC業界で生き残るためには必要になります。 このコラムが皆様のEC事業を発展させることに微力ながら貢献できれば幸いです。

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