eBayが提供するECモールQoo10ですが、積極的な広告活動により利用者を増やしています。
特に10代~30代女性の利用者が多く、コスメ・ファッション系の商品を取り扱うEC事業者は注目の販売チャネルとなっています。
一方で発送管理では注意すべき点があるため、上手く管理するための工夫が必要な箇所もあります。
本コラムではQoo10から倉庫に出荷の依頼を自動で連動させるために考慮すべき課題点について紹介します。
- 1. Qoo10とは?自動出荷とは?
- 2. Qoo10の自動出荷をするには?
- 3. Qoo10で自動出荷の課題とは?
- 4. 課題を解消するには?
- 5. まとめ
Qoo10とは?自動出荷とは?
Qoo10とは?
Qoo10はモール型のEC販売プラットフォームです。
Qoo10への店舗出店を行う事業者数は増加を続け、15歳~39歳女性を対象とした2022年6月のQoo10認知度調査では79%の認知度を誇り、
若い女性をターゲットとしたEC事業者の関心を高めているECの販売チャネルとなっています。
特に「メガ割」のキャンペーンは積極的なテレビCMを展開する等、一般認知度も高まりつつあります。
購入者からみたらお得にお買い物ができる為、 「メガ割」を期待しているQoo10ユーザーは多くいます。
また、店舗運営側からしたら初期費用、月額固定費が無料で販売手数料のみの料金体系の為、
EC多店舗展開の固定費がかさんでしまうという悩みにも対応できる点が嬉しいメリットです。
良いところの多いQoo10ですが、店舗運営での発送管理で特徴のある動きをする為、上手く利用していくには工夫が必要となります。
しかし、Qoo10の利用得られるメリットは大きいため、工夫が必要な箇所と上手く付き合いながら最大現活用することが求められます。
自動出荷とは?
今回、自動出荷という点に着目して話を進めていくにあたり、自動出荷を次のように定義します。 自動出荷とは、ネットショップで注文が入ると、出荷までの一連の流れをシステムが自動的に行うことを指します。
例えば、注文、在庫の確認・修正、購入者へのメール送信、入金確認、出荷指示作成・取込、納品書の作成、出荷完了メール、 これらをシステムが自動で処理することです。
ここでは、特にQoo10から倉庫で利用するWMS(倉庫管理システム)等の出荷システムを対象に、自動出荷ついて話を進めていきます。
Qoo10で自動出荷するには?
商品発送に関わるQoo10の受注の自動出荷という点に着目して、実現の為に必要な機能を取りまとめました。
- 出荷指示の自動連携
Qoo10に登録された受注を、実際に現場の出荷業務で使うWMS等の出荷システムに出荷指示として自動連携させる仕組みが必要です。
自動出荷の実現にはこの機能が必須条件となります。
- 受注のフィルタリング機能
お客様の購入で受注がQoo10に登録されますが、全ての受注をそのまま出荷することはできません。
入金状況のチェックであったり、登録されたお届け先住所が正しいか、運送会社で荷物預かりできる期間を超えた
先日付で配達希望日が設定されいないか等細かいチェックが必要となります。
また、Qoo10では発送予定日の登録が必要などちょっとした手間が発生します。
こういったチェック項目を受注処理作業者がPCの管理画面上で全件確認することは難しいため、
システムで出荷をしてはいけない、確認すべき受注をフィルタリングする機能が求められます。
- RPAによる受注情報修正機能
受注のフィルタリング機能で出荷できない受注を止めて、確認対象にするだけでは自動出荷できる件数は限られてしまいます。
そこで必要になるのがRPAによる受注情報の修正機能です。
フィルタリングで要確認となった受注に対して受注情報の修正をしますが、全ての修正が人の判断を必要とするわけではありません。
決まった条件で受注情報を修正する単純作業について、RPAによるロボットの自動処理を活用することで一気に自動出荷できる件の比率が高めることができます。
- ステータスの同期機能
決済の状況やキャンセルはQoo10上でステータス管理がされていますが、このステータス情報を可能な限りタイムリーに
出荷システム側に同期させる必要があります。
このステータスの同期を上手くやらないと、本当は当日出荷できたのに翌日の出荷に回ってしまう、キャンセルで出荷を止めたかったのに
既に出荷されてしまったといった問題を生じさせます。
人の目でステータスの変更を確認して都度出荷システム側に更新することは難しいため、自動出荷の実現にはQoo10と出荷システムとの間で
ステータスの自動連携できる機能が求められます。
Qoo10で自動出荷の課題とは?
最近はAPIの技術的な普及もあり自動出荷を実現するシステムが多くなってきました。
しかし、全てのシステムがQoo10運用の細かいところまで気を使った仕様になっているわけではありません。
ここではQoo10の自動連携で課題となる点について確認していきましょう。
- 発送予定日登録がめんどくさい問題
Qoo10の発送処理ではEC店舗で購入された受注に対して、発送予定日登録が必要になります。
この発送予定日の登録を甘く見ていると、痛い目に合ってしまいます。
発送処理が行われないと、Qoo10が店舗のサービスを一定水準保つために設定しているサービスポイントがマイナスになり、
タイムセールや共同購入などのプロモーションに制限がかかってしまい、商機を逃してしまう可能性が高まります。
さらに、発送までの期間について遅延ペナルティが設定されているため、不十分な管理で発送手配漏れが発生してしまうと、
店舗運営の大きなマイナスとなってしまいます。
注意が必要な発送処理ですが、管理画面上で個別に登録していくかCSVファイルの一括登録ができますが、
出荷担当者から何時出荷できるかの確認をして登録をしないと、本当は発送できないのに発送予定日を登録してしまうなど、
現場とのコミュニケーションを含めた上手く管理する工夫が必要になります。
この工夫を運用の管理でコントロールするのは作業の属人化につながってしまうため、
システムで現場での出荷と連動して自動で発送予定日が登録される仕組みの導入が重要になってきます。
- 1購入者が複数商品を購入した際に注文番号が分かれてしまう問題
Qoo10の特有の仕様で1購入者が商品を複数購入した場合、複数の注文番号が分かれて登録されるといった仕組みになっています。
仕様なのでそういうものかと問題に感じないかもしれませんが、実際の現場運用に落とし込んだ時に頭を悩ませる課題につながります。
多くの出荷システムでは、注文番号単位で1発送として作業を認識します。
同じ購入者の送付先に送るのに複数の注文番号が分かれてしまうと、出荷作業が分かれてしまい、
1配送の送料でお届けできたところを複数の配送に分けて発送してしまい、送料が余分にかさんでしますといった問題につながります。
送料を抑えるためには、同じ配送先の場合は同梱処理するなどの工夫が必要になりますが、これを現場の作業者の目視で行うには限界があります。
受注情報を出荷指示として取り込んだ際に、同一のカートでの購入については1注文として認識されるよう自動処理されるシステムを利用する必要があります。
また、一方で注意しなければならない点が、同一のカートでの購入であっても商品によって配送方法を分けなければいけない場合も存在します。
そういった場合に単純に同一のカートでの購入を1発送として取り込んでしまうと、今度は商品別に分割して処理をしなくてはいけません。
上記どちらの場合もシステムの活用が必要になりますが、一方のみの運用に対応するシステムではなくお客様の購入内容によって 処理が自動で切り分けられるRPA機能を持ったシステムを活用することで、可能な限り自働化を実現することが重要になります。
課題を解消するには?
Qoo10特有の仕様もあり、自動出荷の実現には考慮すべき課題がありますが、システムサービスを活用することで課題を解消することができます。
- OMS(受注管理システム)
OMS(受注管理システム)では、受注した注文を出荷していいかどうかをチェックするフィルタリング機能、または、修正する処理をサポートしてくれます。
受注をステータスで管理し、条件に応じてフィルタリングしてくれる機能が役立ちます。有名なシステム例としては「ネクストエンジン」、
「クロスモール」があげられます。
- OMS + WMS一体型システム
OMS単体でも受注処理までの自働化は実現できますが、倉庫のWMS等の出荷システムに出荷指示を連携するには、個々でシステム連携の調整が必要になります。
2017年以降そんな課題を解決するOMS + WMS一体型の仕組みが登場します。受注管理と出荷管理のシステムがシームレスに連携することにより、
受注を受けて出荷するまでの流れを通して管理できるため、自動出荷を加速させる仕組みとして注目を集めています。
最近では柔軟なRPA機能の充実した「コマースロボ」といった、自働化率を加速させる、より発展的なサービスも出てきています。
- フルフィルメントサービス
システムサービスの充実により自動出荷の実現をしやすい環境が整ってきてはいますが、物流業務を外部倉庫に委託している場合、
システム利用という点がネックになる場合があります。
委託先の倉庫で独自に出荷システムを持っていると、EC運営側で利用したいシステムが使えないといった問題が発生します。
そこで近年は、EC運営側でシステム調整をしなくても倉庫のシステムに受注が自動出荷連携できる物流フルフィルメントサービスが増えてきています。
フルフィルメントサービスの多くは物流の利用分だけ従量課金制をとっており、新規事業やテストマーケティング案件でもスモールスタートできる点が魅力です。
受注処理に対応できるRPA内蔵のOMS機能を有したフルフィルメントサービス「CyberLogi」の提供も始まるなど先進的な取り組みに期待が高まります。
まとめ
ここまでQoo10の店舗運営で自動出荷をする為の必要な機能、Qoo10特有の課題、課題解消に役立つシステムサービスを紹介してきました。
ECの店舗運営でバックオフィス業務となる受注処理や出荷手配は重要な業務ではありますが、本業でのコア業務ではありません。
システムサービスを活用することでバックオフィス業務の自働化に取り組み、新商品の開発やストア運営といったコア業務に専念できるようにすることが、
競争の激しいEC業界で生き残るためには必要になります。
このコラムが皆様のEC事業を発展させることに微力ながら貢献できれば幸いです。
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「EC事業者向け - ネットショップ運営で受注自働化はコマースロボ」
https://www.commerce-robo.com/Qoo10課題解決事例
https://www.commerce-robo.com/casestudy-20220810-2.htmlQoo10自動連携
https://www.dreamnews.jp/press/0000280590/